氷室さん達と話せないまま、
時は一刻と過ぎ、気付けば12月。

時間の流れとは、おそろしく早い。

寒くなりだした空気、まだ息は白くない。

私は、いつものようにモノクロな学校生活
をおくっていた。

あの二人と連絡先を交換していなかった
ことを今になって後悔する。

まぁ、最近、“王蝶”としての仕事も
あまりないし、接点がそもそもないん
だよね。

近況報告はそれくらい。

ただいま、ソウ君と電話でトーク中。

「学校ちゃんと行ってるらしいな」

『うん』

友達はいないし、授業もまともに
ノート取ってなくて聞いてるだけだけど。

まぁ、多分バレてないはず。

…多分ね。

「えらいえらい」

褒められると普通に嬉しい。

ソウ君は仕事が立て込んでいるらしく、
こうやって電話越しに話すことが増えた。