「それに、凛葵(りき)くんも……いないんだ」


 私は言葉が出なかった。お姉ちゃんだけではなく、義理のお兄さんになるはずだった凛葵さんもいないだなんて……でも、どうして?


「これ、手紙が家に届いたんだよ。それに筒香家にも同じ手紙が、それで連絡をして来ていただいたんだ」

「手紙がお互いに届いたってことは、二人が一緒にいるってことだよね? だけど、お姉ちゃん大学に行ったでしょう? 一緒に出たんだし」

「知っている。浅木もしっかりと送り届けたと言っていたしな……」


 彼らの中には気まづい空気が漂っていた。大人たちは、これからのことなんて考えられない様子で頭を抱えている。