「……あなたの話はまた後でしましょうね。出てきたらどう?」
母さんにそう言われて俺はリビングを出てモニターも確認せず玄関を開けた。
そこには、まさか現れるなんて思わない二人がいて俺はなんで今日なのかと思った。
「兄さん、花結さん……どうして」
そう呟いた時、俺が戻るのが遅いと思った彼らがゾロゾロと玄関にやって来ていた。
「葵織、どうしたんだ」
そう誰かが言ったが、兄さんたちを見ると声にもならず皆固まった。
「……何しに帰ってきたんだ。お前たち」
低い声でお義父さんが言うと、花結さんが口を開いた。
「……っパパ、ごめんなさい。これには事情があって」
「事情、だと? お前たちの行動で、どれだけの人が迷惑したか分かっているのか?」
「でもっ」
「“でも”も“だって”もない!」
花結さんがお義父さんの言葉にビクッとすると「花結はわるくないんです」と隣にいた兄さんがそう言った。それに父さんが加わり、言い合いが始まりそうな気配だった。
「中に入って話をしましょう、兄さんと花結さんも中に入ってください」
本当は入れたくはなかったが、玄関先に居られても近所迷惑になると思い中へ案内した。



