【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

 つまり私の護衛から外れる。

 良いのかな? とは思うけれど、それ自体は別に良い。
 実際今まで必要性を感じたこと無かったし。


 でもそれなら俊君は何をするつもりなんだろう?

「俺はもう一人の護衛対象の方に行きます」

 もう一人の護衛対象って……愛良の事?
 愛良を守りに行ってくれるって事?

 足手まといが増えるのは困るけれど、守ってくれる人が増えるのは願っても無い。


 私が反対する理由はない。


「もう一人の護衛対象って……」

 忍野君が詳しく聞きたそうに口を開いたけれど、そんな時間も惜しい。
 私は彼の言葉を遮って俊君に話しかけた。


「愛良を守りに行ってくれるって事だよね?」

「はい。聖良先輩は連れて行けないけど、行けない先輩の代わりにちゃんと愛良ちゃんを守ります」

 軽い調子の笑顔だったけれど、今は信用するしかない。


「聖良先輩は真っ直ぐ家に帰って下さいね。家の方に別の護衛を手配しておきますから」
「……分かった。愛良をお願いね」

 そう会話を終わらせると、俊君はもう一度忍野君に「お願いします」と言って走って行った。


 その姿を少し見送ってから忍野君の方を向く。

「じゃあ急な事で悪いけど、家までよろしくね」


 まだ少し困惑していた忍野君は「ああ」と答えた後。

「少しは説明してくれるよな?」