【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

「え? 家には向かってるはずですけど……邪魔されてる可能性が高いから回り道していると思いますよ?」

 低くなった私の声に、戸惑いながらも答えてくれた俊君。

 そんな彼に私は淡々と続ける。


「じゃあ、家に帰っても昨日みたいにただ待っている事しか出来ないんだね?」

「……」

 この言葉で、昨日の様にただ待つだけなのはゴメンだと言う私の気持ちが伝わったのか、俊君は何も答えない。

 答えないということは、肯定してるってことだ。


「今、愛良がどの辺りにいるか分かる?」

「……」

 これにも答えない。
 どこにいるのか分かるって事だろう。

 分からないなら、知らないから家で待ってようと言うはずだ。


 でも分からないと言うかと思ったからちょっと驚く。
 けれど今はスマホの位置検索も設定していれば簡単に出来るんだから、何かそういう方法があるんだろうと思う。


「じゃあ行こう。私だって愛良を守りたいよ」

 ダメだって言われるのは分かっているけれど、僅かでも可能性がないかとそう言ってみる。

 真っ直ぐ私の眼差しを受けた俊君は、真面目な顔で「駄目です」と首を横に振った。


「ちゃんと分かってます? 聖良先輩も守られる対象なんですよ? 守る相手が一人から二人に増えるだけで、その苦労は倍以上になるんですよ?」