【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

 早くなる鼓動で息苦しさを感じたけれど、私はそれを無視して口を開いた。

「その不審者達は、愛良をどうするつもりなのかな?」

 護衛が必要なほど危険だと言われていても、どう危険なのかはちゃんと聞いたことがなかった。


 この二日間は特に危険を感じなかったから気にならなかったけれど、今の俊君の様子を見ていると不安で気になってしまう。

 殺されたり傷つけられたりという事はないと思いつつも、不安のせいで悪い方にばかり思考が向いてしまっていた。


「愛良ちゃんを狙っている奴らは沢山いるから一概には言えないけど、少なくとも傷つけたりすることはないと思いますよ」

 そこまで聞いて少しだけホッとしたのも束の間――。


「連れ去って監禁くらいはしそうですけど」

 続いた言葉に私は冷静さなんて吹っ飛んだ。


「……何、それ……」

 恐怖からか怒りからかは分からないけれど、私の声は震えていた。


 連れ去って、しかも監禁?


 あくまでするかもしれないという可能性なのは分かってる。
 でも、そんなことをしそうな奴らが愛良を狙っている。
 その事実がとにかく耐え難かった。


 冗談じゃない。
 そんなこと、させない!


「ねえ、愛良は今どこにいるの? 家に向かってるの?」