【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

「な、永人? あのっ恥ずかしいんだけど……」

「ん……聖良が可愛かったからなぁ……」

 言葉まで甘くて、胸が苦しくなるほどにドキドキする心臓がおさまらない。


 永人はズルイ。


 強引で私を翻弄するようなキスをたくさんしてくるのに、たまにこうやってひたすら甘いことをしてくる。

 拒めないのは同じだけれど、甘いキスは心臓への負担がハンパなくて困るんだよ……。


 しまいには人目も気にならなくなってしまって、唇へのキスも許してしまう。

「んっ……ふぁ……」

 拒むつもりも無くなっていた私の唇をたやすく押し広げ、永人の舌がチロリと歯列をなぞる。

 あくまで優しいその仕草は、私を甘く溶かしてしまって……。


 ちゅぅっと唇を吸われて離れると、私は無意識に永人の胸に甘えるように頭を預けた。


「やべぇ……可愛すぎだろ……」

 いまだに絡まっている指と、腰に回された腕の力が強くなる。

 ギュウッと抱きしめた永人は、色っぽい声で私を誘う。


「……なぁ、聖良。……俺の泊まってるビジネスホテル、寄って行かねぇか?」

「ん?」

「二人きりで、ベッドもある。……いいだろ?」

 その言葉で、永人が何をしたいのかが分かる。

 でも……。