愛良にとっても零士がそうなんだろうなって分かる。

 愛良はまだ中学生なのに……その年齢でこれだけ強くあれるのは凄いなって純粋に思った。

 零士の存在がそれだけ大きいってことでもあるのかも知れない。


 そう思うと、やっぱりちょっと悔しいけれど。


「……とにかく、月原家の人達っていうのはそういうことを平気でやる連中なの」

「そうなんだ……」


 シェリー達も相当だと思っていたけれど、月原家そのものが危ない人達だったらしい。


「お姉ちゃんは私より年上だし、今は吸血鬼になってるから同じ対応になるかは分からないけど……。でも、警戒はいくらでもしておいた方がいいと思う」

「うん、そうだね。分かった」

 真剣に、念を押すように言う愛良に私もしっかり頷く。


 何も起こらない方がいい。

 でも、何かが起こると想定した方がいい。


 田神先生も月原家の動向は気にしていた。

 愛良にも念を押された。

 いくら何でものんきに構えているわけにはいかない。


 私は、自分を狙う人達の思惑を全てへし折るためにパーティーへ(おもむ)くと決めた。

 年明けのパーティーは、私に取って色んなことの決着をつける場になるのかも知れない。


 そんな予感を胸に、私は後日田神先生に伝えた。

「パーティーに参加します」

 って……。