翌日、いつもの会議室では久しぶりにみんなが揃っていた。

 私と永人、愛良と零士、嘉輪と正樹君と瑠希ちゃん。

 そして元婚約者候補の五人。


 田神先生だけはなんだか上層部で話し合いがあるとかで不在にしている。

 そのため、昨日朔夜さんから聞いたことの皆への報告は私達に任されたんだ。


「はは……始祖って、また話が大きくなったな?」

 一通り話を聞いた後、一番に口を開いたのは津島先輩だ。

 明るい声を出して緊張しそうな場を和ませようとしてくれているのが分かる。


「いや、まあ……何か凄いな」

 石井君も言葉少なくも驚きを口にする。


「前例が無いとは聞いていましたけど……まさかそんなことになるなんて……」

 浪岡君はとにかく驚いたという感じ。


「……」

 俊君も驚いてはいるんだろうけれど、無言だった。


 そして忍野君は……。

「えっと……また俺のやらかしのせい、なのかな?」

 忍野君のしでかしたことで私が“花嫁”と同等になったため、本来なら起こらないはずの“花嫁”と純血種の血が混ざった。

 そのため始祖の力を使えるようになるんじゃないかとか大事(おおごと)になってしまった。

 だから忍野君は何となく気まずいとでも思っているのかも知れない。