「お父さん……それって、聖良が始祖になったってことなの? 始祖になることが……《禁忌》なの?」
少し震える声で聞く嘉輪に、朔夜さんは幾分声音を柔らかくして答えた。
「半分正解だな。始祖の復活は《禁忌》だが、彼女が始祖になったと言えるかは微妙なところだ」
「微妙?」
聞き返す嘉輪に、朔夜さんは愛良に視線を向けながら話しだす。
「まず、《禁忌》だからこそそれは起こらないはずなんだ」
「え?」
「嘉輪、その子――本物の“花嫁”に血を入れる、と考えて見ろ。考えるだけでいい、本当に入れようと思うな」
「ええ? いきなりわけわからないんだけど……」
唐突な朔夜さんの指示に文句を言いつつも嘉輪は従うように愛良を見た。
「考えるだけでいいのよね? えっと、愛良ちゃんに私の血を入れ、る……あ――」
その瞬間、嘉輪の様子が一変した。
目が見開かれ、カタカタと全身が小刻みに震える。
その顔には恐怖がありありと表れ、脂汗まで滲んでいた。
「よし、もういい。もう考えるな」
朔夜さんはそう言って嘉輪の目を塞ぐ。
なだめるように、優しく言い聞かせる。
「大丈夫だ、嘉輪。お前は“花嫁”に血を入れたりなどしない。《禁忌》など起こさない」
そう繰り返すことで、嘉輪の異変が落ち着いて行くのが見て取れた。
少し震える声で聞く嘉輪に、朔夜さんは幾分声音を柔らかくして答えた。
「半分正解だな。始祖の復活は《禁忌》だが、彼女が始祖になったと言えるかは微妙なところだ」
「微妙?」
聞き返す嘉輪に、朔夜さんは愛良に視線を向けながら話しだす。
「まず、《禁忌》だからこそそれは起こらないはずなんだ」
「え?」
「嘉輪、その子――本物の“花嫁”に血を入れる、と考えて見ろ。考えるだけでいい、本当に入れようと思うな」
「ええ? いきなりわけわからないんだけど……」
唐突な朔夜さんの指示に文句を言いつつも嘉輪は従うように愛良を見た。
「考えるだけでいいのよね? えっと、愛良ちゃんに私の血を入れ、る……あ――」
その瞬間、嘉輪の様子が一変した。
目が見開かれ、カタカタと全身が小刻みに震える。
その顔には恐怖がありありと表れ、脂汗まで滲んでいた。
「よし、もういい。もう考えるな」
朔夜さんはそう言って嘉輪の目を塞ぐ。
なだめるように、優しく言い聞かせる。
「大丈夫だ、嘉輪。お前は“花嫁”に血を入れたりなどしない。《禁忌》など起こさない」
そう繰り返すことで、嘉輪の異変が落ち着いて行くのが見て取れた。



