【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。


 そう言い聞かせていないとどうにかなってしまいそうだった。

 友人の父とは思えないほど若々しくて、カッコイイ大人の男性。

 永人という大切な人がいても、惑わされてしまいそうになる色気。


 これが純血種なんだって本能で理解した。

「ふむ……」

 そう呟いて手が離されると、私はすぐに彼から距離を取り永人のそばに寄った。


 やばかった……。

 指から血を舐めとられただけなのに、気力をごっそり奪われた感じ。


 いつもはドキドキして癒しになんてならないのに、今は永人のそばが一番ホッとした。

 そんな私の手に永人は指を絡めてくる。


 まるで指を舐められた感覚を消し去るように、上書きするように指先を撫でながら手をつながれた。

 無言で、さりげなくされたその仕草にトクンと胸が高鳴る。


 純血種相手に強気に出られなくても、永人はいつでも私を求めてくれる。
 さりげなくても、その独占欲が嬉しかった。


「とりあえず血はちゃんと馴染んでいるな」

 私たちの様子など気にも留めず、朔夜さんは私の血を吟味して話し出す。


「寿命もおそらく延びているが……まあ、不死にはなっていないようで安心した」

「不死?」

 その言葉に疑問が浮かぶ。