【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

「……でもさ、それなら嘉輪は? 嘉輪は、私達がいなくなってもずっと生きているってことだよね?」

 それは、辛いことなんじゃないだろうか。

 私の心配に嘉輪はただ優しく微笑んだ。


「気にしてくれるの? ありがとう。……でも、それは純血種として生まれたときから分かっていることだから……」

 悲しげにも見える表情に胸が苦しくなる。

 別れが確定しているのに仲良くするというのは、どんな気持ちなのか……。

 実際の嘉輪の気持ちは分からないけれど、想像するだけでも辛かった。


「もう、何て顔してるのよ。たとえ死に別れるとしても、あと何十年あると思ってるの? それに、別れなんて相手が生きていてもたくさんあるのよ?」

 言われて、確かにと思う。

 そういえば、永人を選んで彼と逃避行すると決めたときももう会ことはないかもしれないと思っていたんだっけ。


「……でも、相手がどこかで生きているっていうのと、永遠に会えないってのは違うんじゃない?」

 会えないのは同じでも、気持ちの部分では大きく違うと思う。

 でも、嘉輪はおどけるように笑った。

「それはどうかしら? 案外生まれ変わりとかに会えるかもしれないわよ? 私、輪廻転生とか信じる方だし」

「生まれ変わり……」

 そういう可能性もあるのか……。