肩にある手の体温と、彼の心音、そして何よりその言葉に安心した私はを勇気出してちゃんと聞いた。
「私も、それくらい生きることになるの?」
少し強張った声に、私が何を怖がっていたのか気づいたんだろう。
嘉輪はちょっと申し訳なさそうな顔をして答えた。
「早とちりさせちゃったかな? ごめんね。……結論から言うと、聖良はそこまで生きることはないわ。まあ、他の吸血鬼よりは長生きするかもしれないけれど」
嘉輪の話では、純血種の血が入ったからと言って必ずしも純血種と同等になるわけじゃないらしい。
血は特別だから他の吸血鬼よりは強いし、寿命も少しは伸びるかもしれないけれどそれだけとも言える。
完全に純血種と同等になるには、そこからさらに純血種の血を飲み続けて肉体も純血種のものに作り替えていかないとないらしい。
「聖良は私の血を飲んではいないし、完全な純血種にはならないわ。むしろ岸とお互いに血を飲んでいるから、あなた達の寿命が同じくらいになるはずよ?」
「そうなの?」
嫌な予感が当たっていなくてホッとする。
それどころか、永人の言葉通り例え彼が先に逝ってもそれほど一人の時間は多くなさそうだと知った。
でも、そうして安心すると別の心配が浮かんでくる。



