窓から顔を出してる人やわざわざ外に出て少し遠巻きにしている人など、とても注目が集まっている。

 そんな感じでみんなに嘉輪のお父さんが来ることが知れ渡っていて、そのため学園側も対応せざるを得なかったんだろうか?

 私達三人から少し離れたところでは田神先生が待機していた。


 私や嘉輪としてはいつもの会議室でも借りて話を聞ければいいんじゃないかって感じだったんだけれど、大人の事情的にそうはいかないらしい。
 私達が入ったこともない応接室に案内すると言って、出迎えに来ていた。

 離れているからまだいいけれど、やっぱりちょっと気まずい。

 その気まずさを誤魔化すように、私はまた嘉輪に話しかけた。


「嘉輪が色々とすごいから純血種が特別なのは何となく分かってたけど……ここまで注目されるほどだとは思わなかったよ」

「私も想定外よ。学園では一目置かれている感じはしても、こんな風に注目されることはなかったから……」

「……そういえば、純血種って他の吸血鬼とは何が違うの? 血が特別だってことは聞いた気がするけれど……」

 なかなか聞く機会もないので質問をしてみる。

 今までは純血種の嘉輪は凄いんだなって認識だけで別に構わなかったけれど、今は私にその血が入っているんだ。
 他人事には出来ない。