「転校やめる事って出来ないの?」
「それは、無理っぽいかなぁ……」
最初のオドオドした様子は何だったのかと思える程に、鈴木君は次々と質問をしてくる。
ていうか、話って結局何なんだろう?
質問ばっかりなんだけど。
そんな疑問を浮かべると、鈴木君は突然黙り込んだ。
うつむいて、数秒。
そして何かを決意した様に顔を上げ同時に言葉を発した。
「行かないで欲しいって頼んでも、無理?」
「は?」
何を言ってるんだこの眼鏡男子は?
無理に決まってるじゃん、としか言いようの無い質問に眉を寄せて訝しむ。
しかも私が何かを言う前に、爆弾発言をしてくれた。
「俺、香月さんの事が好きなんだ!」
「……」
言葉が出ないほど、驚いた。
いや、だって。
まさか告白されるとは思って無かったし。
あ、でも良く考えればこの場所――体育館裏――に連れてこられた時点でそういうシチュエーションだった?
っていうか、これ、初告白なんだけど!?
どうすればいいの?
付き合うの?
いやいや、鈴木君は転校しないで欲しいって言ってるから転校やめればいいの?
でもそれ無理だし!
というか、まず第一に私は鈴木君の事そういう風に見た事無いんだけど⁉
もう何が何だか分からず混乱状態。



