「その、話したい事があるんだけど……。ちょっとついてきてくれないかな?」
大人しそうな印象そのままの、控え目な話し方。
眼鏡の奥の目はオドオドと揺れている。
そんな様子、しかも大して仲が良い訳でもない相手に何の話があるというのか。
疑問はあったけれど、断る理由もないので了承する事にした。
「うん、良いけど?」
気軽に返事をして私は鈴木君について行く。
階段を一つ降りて、そこからすぐ近くの体育館を突っ切る。
そして鍵がかかっていないドアを開け、外に出た。
体育館にはバスケとかで遊んでいる男子生徒がいて騒がしかったけれど、そこを出てドアを閉めると一気に人の気配が薄くなった。
はぁ〜。
こんな穴場があったとは……。
さっき人気の無い場所を探していた私は思わず関心していた。
ここが目的の場所だったのか、鈴木君は足を止め私に向き直る。
「あの、さ……。転校するって話、本当なの?」
「あ、うん。来週からね。だからこの学校に来るのは明日で最後かな」
実際に口にしてみて、寂しい気持ちが湧いてきた。
ああ、そうか。
もう明日で終わりなんだよね。
今更ながら実感する。
でもそんな私の内心なんて知るはずの無い鈴木君は会話を続けた。
「そうなんだ……。城山学園だっけ?」
「うん」
大人しそうな印象そのままの、控え目な話し方。
眼鏡の奥の目はオドオドと揺れている。
そんな様子、しかも大して仲が良い訳でもない相手に何の話があるというのか。
疑問はあったけれど、断る理由もないので了承する事にした。
「うん、良いけど?」
気軽に返事をして私は鈴木君について行く。
階段を一つ降りて、そこからすぐ近くの体育館を突っ切る。
そして鍵がかかっていないドアを開け、外に出た。
体育館にはバスケとかで遊んでいる男子生徒がいて騒がしかったけれど、そこを出てドアを閉めると一気に人の気配が薄くなった。
はぁ〜。
こんな穴場があったとは……。
さっき人気の無い場所を探していた私は思わず関心していた。
ここが目的の場所だったのか、鈴木君は足を止め私に向き直る。
「あの、さ……。転校するって話、本当なの?」
「あ、うん。来週からね。だからこの学校に来るのは明日で最後かな」
実際に口にしてみて、寂しい気持ちが湧いてきた。
ああ、そうか。
もう明日で終わりなんだよね。
今更ながら実感する。
でもそんな私の内心なんて知るはずの無い鈴木君は会話を続けた。
「そうなんだ……。城山学園だっけ?」
「うん」



