【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

 本来なら血の契約で結ばれた相手との邪魔をすることもないけれど、私の場合は特殊だから何とも言えないということらしい。


「……それでも、私は永人を選びました。それに、永人は私の“唯一”でもあります。永人以外には考えられないです……」

 以前から私に好意を寄せてくれていた田神先生にそれを言うのは少し躊躇われたけれど、この気持ちだけは揺らぐことはないからハッキリ告げた。


「……聖良さんはそうでも、周りが認められないということだ」

「っ!」

 それでも冷たく言い放つ田神先生に胸が苦しくなる。

 その認められない周りの人の中には、田神先生も入っているということだろうか。


 私に好意を寄せてくれていた人だから、そう簡単には認められないってこと?

 でも、今の田神先生を見ると……。


 彼の冷たいほどの眼差しは本当に好意から来るものなんだろうかと疑問に思う。

 以前は確かにあった優しい想いが今は欠片も感じられない。

 それが悲しくて、苦しくて……少し怖かった。


「おいおい、何勝手に人の女睨んでんだよ」

 そんな田神先生の眼差しから守るように、永人が私の前に立つ。


 普段は俺様というか、強引というか……そんな感じの永人だけれど、こんな風にさりげなく私を守ろうとしてくれる。