【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。


 確かに分かる。
 分かってしまった。

 吸血鬼にとって、吸血鬼の血そのものが特別なんだ。


 なんて言うんだろう……?

 誇りを持っているっていうのに近い気がする。

 それにもっと強制力が加わったような感じ。


 自分の意志では抗えないほどの誇り。

 それゆえに、主従の儀式は絶対。

 吸血鬼なら、その抗えない誇りゆえにその主従を引き離すことが出来ない。


「でも、私達が一緒にいることを反対しているのはハンター側もだって……」

 嘉輪の話を思い出しながら言う。

 確か、特別になってしまった私に永人はふさわしくないとかなんとか……。


「そっちは大丈夫だろ。反対って言ってもどちらかというとって感じみてぇだったし? 全員が反対なわけじゃないみてぇだからなぁ」

 上層部の決定は大体多数決だから大丈夫だろうとのことだった。


「……なるほど」

 私が納得の声を上げると、同時に永人の肩から田神先生の手が離れる。

 チラッと見ると、ショックなのか愕然とした様子だった。


 田神先生は私達を引き離したかった方なんだね……。

 少し悲しく思いながら視線を永人に戻す。


 にやけた、満足そうな顔。

 さっきまでの悲しそうな諦めきった微笑みは欠片もない。


「……ってことはさっきまでの態度は……演技?」