【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

「何にしろ、お前達がしたことは罪だ。……ハンター協会の歴史にもちゃんと残っている。“花嫁”を吸血鬼に奪われないためにと人間のエゴだけで“花嫁”を孕ませたと」

 その“花嫁”がどうなったのか分かるか? と、田神先生は全身から冷気を漂わせる。


「っ!」

 息を呑み視線をさ迷わせたH生は分からなかったらしい。

 そんな彼に田神先生は淡々と告げた。


「無理やり純潔を奪われ、誰の子とも知れない子供を身ごもった。……世をはかなんで自殺したらしいぞ?」

「っ⁉」


 流石に本当の意味で理解したらしい。

 驚愕の表情をしたそのH生は、それきり黙ってうなだれてしまった。


 私は田神先生が言ったことが自分にも当てはまるところだったというのを知って戦慄する。

「っ!」

 抱きしめてくれている嘉輪にギュッとしがみついた。

「聖良……」

 嘉輪はそんな私の背中を撫でてくれて、覚えた恐怖が落ち着くまでそうしてくれる。


 その間にH生達は連れ出され、詳しい話を聞くためか鬼塚先輩も連れられていなくなった。

 田神先生は何か言いたそうに、心配そうに私を見てくれていたけれど、今は声を掛けない方が良いと判断したのか教室を出て行った。


 後に残ったのは私と嘉輪だけ。

 そうなってから、嘉輪はゆっくり優しく声を掛けてくれた。