【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

「分かってるっつーの! 俺達はそいつを“花嫁”として狙われなくしてやろうとしてんじゃねぇか! その女の為だろ⁉」


「っ!」

 その叫びに、場の空気が凍った。

 H生達以外の誰もが彼らに冷徹(れいてつ)な目を向ける。


「な、なんだよ?」

 その意味が本当に分かっていない様で、彼らは戸惑いの声を上げていた。


「……それ、聖良が望んだか?」

 鬼塚先輩が続けて彼らを諭す。


「は?」

「本人が望んでもいないのに、お前らはこいつの純潔を奪って孕ませようとしてたんだぞ?」

「それは……」

「どんな理由であれ、お前らは紛れもなく強姦魔だよ」

「っ⁉」


 今ここに来て、彼らはやっと理解したみたいだ。

 自分達が何をしようとしていたのかを。


「っ! でも、そいつが“花嫁”である限り狙われるんだぞ⁉」

 それでも一番うるさかった彼だけは悪あがきのように叫ぶ。

 鬼塚先輩は淡々とその叫びもはね付けた。


「だから守るんだろう? ……いい加減にしろ。お前らがこんな方法を取ろうとしたのは自分達の為でしかない。“花嫁”を守る力がなかったと笑われるのが嫌だっただけだ」

「そ、れは……」

 口ごもりながらもまだ何か言い募ろうとする彼に、今度は田神先生が冷たい声で言い放った。