【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

「……とにかく、お前も邪魔するってことだな? 鬼塚」

 痛みもある程度治まったのか、倒されたH生達がみんな立ち上がっている。

「仕方ねぇな。じゃあ俺がやるか。外見だけは良いし、ヤる分には問題ねぇだろ」

「っひ!」

 また嘲るような眼差しを向けられる。

 でも今度はドロリとした欲望のようなものも垣間見えた。


「お前な、そういうところが一番ダメなんだって分かってるのか?」

「うるせぇよ。お前の話なんか聞くか」

 諭そうとする鬼塚先輩の言葉は彼らには届かない。

 どうしよう。

 いくら鬼塚先輩が強くても多勢に無勢だ。

 この人数差で、私を守りながらこの教室から出るのは難しいんじゃないだろうか?


「聖良、もうちょっとだから。待ってろ」

「え?」

 気が焦る私と違い、鬼塚先輩は冷静だった。


 もうちょっとって?
 待つって、何を?


 そう疑問を浮かべたとき、ドアの向こう。

 廊下の方が騒がしくなってきたことに気付いた。


 バタバタと複数人の足音が聞こえる。


「な、なんだ⁉」

 H生達はうろたえてドアの方と鬼塚先輩を交互に見ていた。


『石井⁉ 大丈夫か⁉』

 聞き覚えのある声がドアの向こうから聞こえてくる。

『正輝! 鍵は⁉』
『今開くよ!』

 そんなやり取りも聞こえて、すぐにドアが開く。