「聖良先輩こそ嘉輪先輩が必要そうですよ⁉ 呼びますからね!」

 そう言うと、止める暇もなく電話をかけてしまう瑠希ちゃん。


 確か嘉輪は今日も用事があるとかで午前中出かけていたはずだ。

 流石に帰ってるとは思うけど、わざわざ呼びつけるのは少し心苦しかった。



 でも、嘉輪には聞きたいこともある。

 本当は田神先生に聞ければ良かったんだけれど、そんな状況じゃなかったし。


 だから私は愛良に差し出された濡れタオルを目に当てて、冷やしながら嘉輪が来るのを待った。


 コンコン

「あ、来たみたいだね。はーい!」

 私と嘉輪の分も飲み物を用意してくれていた愛良がそう言ってドアを開けに行く。

 私は少しは赤みもおさまったかな? と瑠希ちゃんに聞いて確認してみる。


「大丈夫です! さっきよりはマシな顔してます」

 親指をぐっと立てて言う瑠希ちゃんに、「マシって……」と何とも言えない気分でいると嘉輪が近くに来た。


「聖良? どうしたの? 何があったの?」

 嘉輪はついさっき帰ってきたらしくて状況を何も聞いていないらしい。

 なので瑠希ちゃんと愛良が簡単に説明してくれた。


 まずは愛良の方で何があったかを話してくれる。