戸惑いが滲んだ問いかけ。
でもそれに応えることが出来ないでいると、周囲のH生が口を開いた。
「先生……その、俺らは……」
さっきまで怒りをあらわに鬼塚先輩に掴みかかっていた勢いもなくなり、叱られるのを待つ子供のようになってしまったH生達。
そんな彼らを田神先生はため息をつきつつも怒りはしなかった。
「そんな顔をしなくても良い。この厳戒態勢の中奴らが入り込んでくる可能性は低いと見て今日の護衛任務を許可したのは私達だ。聖良さんが無事なら罰したりはしないさ」
H生達に向かって“先生”の顔で告げると、少し顔を歪ませて「それよりも」と続ける。
「ただ問題は、H生の中に操られている者がいるということだな」
「っ! それは……」
視線が一人に向く。
岸が去って行ってから、ずっと虚空を見つめてボーッと立っている工藤さんに。
しかも田神先生は「一番の問題は」とさらに悪い状況を口にした。
「操られているのがその子だけじゃないということだ」
『え⁉』
みんなの驚きの声が重なる。
あたしもどういうことなのかと嫌な予感を胸に視線を上げた。
「少し前に、学園の方でもひと騒動あったんだ」
「田神先生? それって……」
怖くて目を合わせられないと思っていたことも忘れて問いかける。
でもそれに応えることが出来ないでいると、周囲のH生が口を開いた。
「先生……その、俺らは……」
さっきまで怒りをあらわに鬼塚先輩に掴みかかっていた勢いもなくなり、叱られるのを待つ子供のようになってしまったH生達。
そんな彼らを田神先生はため息をつきつつも怒りはしなかった。
「そんな顔をしなくても良い。この厳戒態勢の中奴らが入り込んでくる可能性は低いと見て今日の護衛任務を許可したのは私達だ。聖良さんが無事なら罰したりはしないさ」
H生達に向かって“先生”の顔で告げると、少し顔を歪ませて「それよりも」と続ける。
「ただ問題は、H生の中に操られている者がいるということだな」
「っ! それは……」
視線が一人に向く。
岸が去って行ってから、ずっと虚空を見つめてボーッと立っている工藤さんに。
しかも田神先生は「一番の問題は」とさらに悪い状況を口にした。
「操られているのがその子だけじゃないということだ」
『え⁉』
みんなの驚きの声が重なる。
あたしもどういうことなのかと嫌な予感を胸に視線を上げた。
「少し前に、学園の方でもひと騒動あったんだ」
「田神先生? それって……」
怖くて目を合わせられないと思っていたことも忘れて問いかける。



