【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

 そんなやりとりをしているうちに、田神先生達がやって来た。

「聖良! 無事か⁉」

 真っ先にあたしの無事を確認してくる田神先生に、あたしは罪悪感を覚える。


 血を吸わせたのはあたしの判断。

 あのままの岸を放っておく事はやっぱり出来なかったから、吸わせた事自体は後悔していない。

 でも、その判断のせいでH生や田神先生達にどう思われるか、どんな影響があるかまでは考えていなかった。


「あたしは、大丈夫です……」

 岸に血を吸わせたことを後悔はしていない。

 でも、田神先生にそれを言うのはためらわれる。


 どうして吸わせたのかと聞かれたら、放っておけなかったからだと言えばいい。
 その通りなんだから。

 でも、きっとそれだけじゃすまない。


 だって……。

 だって、きっとあたしはもう選んでしまったから。

 岸に会わないでくれと頼んできた田神先生なら、きっと察してしまうから。


 それが田神先生を傷つけることになるんじゃないかと思うと怖い。


 ……ううん、違うか。

 傷つくのが怖いのはあたしだ。


 田神先生に気づかれて、だから会うなと言っただろうと言われるのが怖い。

 誰を選んだのか知られて、非難されるのが怖い。


 だから田神先生と目を合わせることが出来なかった。

「……聖良?」