【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

 何とか声は抑えたけど、弱い部分なのであからさまな反応はしてしまった。


 っこのっ!
 私の弱いところ覚えてたの⁉



 その答えの様にニヤニヤと笑う岸が口を開く。

「ホント、耳弱いよなぁ? あんまり妹のことばっかだと、嫉妬しちまうぜぇ? あっちはあっちで勝手にやらせとけばいいじゃねぇか」

「そっんなの、無理に決まってるでしょう⁉」

 このままずっと触られるわけにもいかないと思って、片手でガードする。
 そして言葉を続けた。


「もう少しで愛良は零士と血婚の儀式をするのよ? それまでは愛良に手を出すやつを許すわけにはいかないわ!」

「はっ!……血婚ね。隷属の儀式の間違いだろう?」

「え……?」

 嫌そうに顔を歪める岸は、デタラメを言っている様子はない。


 何?
 隷属って、誰かに支配されるってこと?
 誰が誰に?

 岸は、何を言ってるの?


「岸? それ、どういう――」
「っと、悪ぃな。時間がねぇ」

 詳しい説明を求めようとしたけれど、遮られてしまう。


「学園では教えられないこともあるってことだよ。吸血鬼とハンターのしがらみは、本来あの学園のように仲良しこよし出来るほど軽いものじゃねぇってことだ」

 言いながら立ち上がる岸に手を引かれ、私も立ち上がる。