【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

 岸の肩に顎を乗せるような状態になって、そのまま彼の言葉を聞いた。


「唯一なんて、俺に見つかると思ってなかったってのに……」

「……?」


 何を言っているんだろう?

 唯一って何?


 聞いてみたかったけれど、何のことを言っているのかすら分からないからどう聞けばいいのか……。

 そうして少し迷っていると、岸のズボンのポケットが震えた。

 後頭部に回っていた手で震えているスマホを取った岸は、すぐにその電話に出る。

「……学園の方は終わったのかぁ? ああ、こっちも確認は取れたぜ……」

 学園……?
 まさか⁉

 電話対応する岸の言葉に、まだ少しボーッとしていた頭がハッキリする。


 岸が連絡を取る相手として一番に浮かぶのはシェリーだった。

 そうじゃないかもしれないけれど、彼女の仲間だと思われる。

 そして聞こえた“学園”という言葉。


 愛良の方にもシェリーの仲間が向かったってことなんじゃないの?


 ハッキリした頭で考えると、一気に愛良のことが心配になる。


「ああ、じゃあこっちもそろそろ出る」

 そう言って岸が電話を切ると、私は彼の胸を押して離れた。

 とはいえ、腰は抱かれたままだから密着している部分はあるけれど。


「今の、何? 学園の方って、愛良に何かしたの⁉」