【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

 こんなキスをされたら……抵抗しようとする意志すらなくなってしまうから……。

「ふぁ……んっ」
「っはぁ……聖良ぁ」

 合間に名前を呼ぶのも止めて欲しい。

 求められているのが分かって、胸がキュウッとなってしまうから。


 無駄な抵抗でしかない言葉を頭の中で繰り返しながら、少しずつ私の熱は落ち着いて来る。

 優しく気持ちのいいキスは、昂りそうだった熱を安らぎに変えた。


 ……十分は経っただろうか。

 永遠のような、短いような……それくらいの時間をへて、私の熱は落ち着く。

 岸もそれは感じ取ったんだろう。

 深いキスはなくなり、ついばむキスになり、最後にはチュッとリップ音と共に離れていく。


 離れていく瞬間に物足りないと思ってしまった自分にハッとする。


 私、何考えてるの⁉

 相手は岸なんだよ⁉


 熱もなくなり、正気を取り戻した私は単純に恥ずかしくなって岸から顔をそらす。

 でも、そらしたのを良いことに頬にあったもう片方の手が後頭部に回った。
 そのままギュウッと抱き締められる。

 胸に残っているドキドキがまた早く脈打つ気がした。


「っはぁ……ったく、参ったな……」

 参ったのはこっちの方よ!


 内心叫ぶけれど、声に出して何が参ったのかを聞かれても困るので黙る。