【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

 頭の中まで、すぐにとろけてしまいそうな熱が回ってくる。

 ちゅくっ、と私の血を吸う岸の唇に、変な感覚がする。

「ひゃっ! ぁんっ」

 変な声まで出そうになって、手を当てて声を抑えた。


「……聖良……」

 すぐ近くで熱っぽく名前を呼ばれ、ゾクゾクゾクッと何かが駆け上がってくる感じがする。


 何これ⁉ どうなってるの⁉


 訳が分からなくて、とにかく変な声を出さない様にするのが精いっぱいだった。


「っはぁ……」

 最後にひと舐めして咬み痕を塞ぐと、岸は顔を上げて私を見た。

「聖良?」
「っき、しぃ……」

 吸血行為は終わっても熱は中々引いてくれない。
 訳が分からなくて、そばにいる岸に助けを求めることしか出来ない。

「聖良、お前……」

 驚きの表情をした岸は、嬉しそうに妖艶に微笑んだ。


「聖良、感じてくれてんの?」
「ふぇ?」

 意味が分からなくて聞き返す。

「んだよ……可愛すぎるだろ」

 でも岸は答えてくれず、私の頬を両手で包み込み唇を重ねた。


「あっんっ」

 さっきしてきたような、全てを奪うキスじゃない。

 優しく全てを包み込んで、そうしてからパクリと食べてしまうような……そんなキス。


 唇をついばみ、ゆっくりと舐めとられるだけでなぜだかゾクゾクした。

「んっはっ……きし?」