ちょっとイタズラっぽい笑顔で忍野君は私の手を引いて歩く。
あ、手……離すタイミング逃しちゃったな。
そう思ったけれど、今更手を引っ込めるのも何だかおかしい気がするし……。
あまり気にしない様にして私は話を続けた。
「可愛くなんてないよ。もう、忍野君お世辞はいらないから」
照れ隠しもあって口にした言葉は半分本心だ。
外見はそこそこ可愛いのかもしれないけれど、寝顔までそうとは限らない。
それに私は零士に外見詐欺なんて言われるくらいだ。
中身は可愛くないと思う。
なのに私の言葉を聞いてピタリと足を止めた忍野君は「はぁ……」と深めに息を吐き、「あのな」と私を見下ろして続けた。
「俺、お前のこと好きだって言っただろ? 好きな子のこと可愛くないなんて思うわけないじゃん」
「っ!」
「香月さ、俺がお前のこと好きだって言ってるの責任感から言ってるとでも思ってる?」
「それは……」
思ってない、とは言えなかった。
私が“花嫁”と同等の血を持つようになった原因を作ったのは忍野君だ。
彼はそれを気にしてる。
だから責任を感じてるのは間違っていないはずだ。
確かにそれとは関係なく好きだと言われたけれど、全く関係ないとは思えなかった。
あ、手……離すタイミング逃しちゃったな。
そう思ったけれど、今更手を引っ込めるのも何だかおかしい気がするし……。
あまり気にしない様にして私は話を続けた。
「可愛くなんてないよ。もう、忍野君お世辞はいらないから」
照れ隠しもあって口にした言葉は半分本心だ。
外見はそこそこ可愛いのかもしれないけれど、寝顔までそうとは限らない。
それに私は零士に外見詐欺なんて言われるくらいだ。
中身は可愛くないと思う。
なのに私の言葉を聞いてピタリと足を止めた忍野君は「はぁ……」と深めに息を吐き、「あのな」と私を見下ろして続けた。
「俺、お前のこと好きだって言っただろ? 好きな子のこと可愛くないなんて思うわけないじゃん」
「っ!」
「香月さ、俺がお前のこと好きだって言ってるの責任感から言ってるとでも思ってる?」
「それは……」
思ってない、とは言えなかった。
私が“花嫁”と同等の血を持つようになった原因を作ったのは忍野君だ。
彼はそれを気にしてる。
だから責任を感じてるのは間違っていないはずだ。
確かにそれとは関係なく好きだと言われたけれど、全く関係ないとは思えなかった。



