はじめから離婚なんてするつもりで相手を選ばないから気にしてなかったけれど、私達の場合は普通の結婚とは違う。
 後で無理だと思っても別れることは出来ないんだ。

 それを思えば、確かにどうしても無理だと分かっている人を選ぶわけにはいかない。

 愛良の言う通り、浪岡君と俊君は選ばないとハッキリしたことは収穫だったのかもしれない。


 心苦しさや申し訳なさはあるけれど……。


「……うん、そうだね。ちゃんと自分の気持ちとも向き合いつつ相手を選ぶよ」

「あたし達は聖良先輩が選んだ人を応援しますよ!」

 しっかり頷いた私に、瑠希ちゃんが後押しするように宣言した。


「うん、それが一番だよ」
「そうそう、聖良の気持ちが一番大事よ?」

 愛良と嘉輪もそう言ってくれる。


「というわけで今日の反省は終わりですね」

 いい感じにまとめた瑠希ちゃん。
 でも、続けられた言葉に私はまた悩まされる羽目になった。


「後は明日のことを考えないと」

「うっ……」

 考えたくなかった現実を突きつけられる。


 忍野君は……まあまだそんなに迫ってくる人じゃないからいい。
 でも田神先生は……。

 無駄な色気を持って私に迫ってくる。

 そんな人と明日数時間とはいえデートするなんて……私、色々と持つかな?


 不安を募らせてその夜は中々寝付けなかったけど、何とか日付が変わる前には眠りに入れたのだった。