二人と話し合わずに決めたことに少しは文句でも言われるかと思ったけれど、彼女たちはそんなことより浪岡君も一緒という事に舞い踊る勢いで喜んでいた。


 確かに浪岡君は可愛いけどさぁ……。
 それほど舞い上がるほどのことかなぁ?

 だって三日しか会う事ないんだよ?
 それ以降は会う確率ほぼないんだよ?

 恋とかに発展するどころか、連絡先交換でもしなければ友達になれるかどうかも際どいところだよ?


 と、二人の様子に有香と一緒に呆れたりしながら何とか一日が過ぎた。



「そろそろ愛良達も来る頃だから、私達は先に帰るね」

 帰りのHRも終わって有香達と少し話をしてから私は鞄を手に取った。

「うん、じゃあまた明日ねー」

「浪岡君もバイバイ」


 三人に手を振って教室を後にする。

 当然浪岡君も一緒なんだけど、なんか私より浪岡君に別れの挨拶してる方が多い気がするんですけど?

 友達以外の人も浪岡君に手を振ってるし。


 まあ浪岡君は可愛いし、今日一日だけでも人気者になっちゃったからねー。

 別に私が皆から半無視状態だからって(ひが)んでるわけじゃないですから。
 僻んでるわけじゃないですから!
 大事なので二回言った。


 とまあ、そんな感じで校門の所まで来たんだけど……。