そう考えると少し落ち着きを取り戻せた。

「要は近くに護衛になる人がいれば良いんですよね? だから、デパートでデートしましょう?」

「デパートで?」

「はい。それなら周りは学区内の吸血鬼やハンターしかいませんし、少し離れた所から護衛の人がついて来ても問題ないでしょうし」

「ああ、確かに」

 納得する愛良にいやいや! と慌てる。


「でもそういう事するとまたみんなに負担かかっちゃうんじゃない? 迷惑かけるのは嫌だよ?」

 この間お別れ会をするとなったときは下準備やら護衛の配置やらと色々手間をかけていたみたいだった。

 学区内のデパートならあそこまでは必要ないだろうけれど、わざわざ手間を掛けさせることではないと思う。


「そうそう。将成だけのためにはそんなこと出来ないよね? ってことで俺ともデートしましょ? 聖良先輩」

「はい?」

 離れた席で夕飯を食べていたはずの俊君までもが参戦してくる。


「なっ⁉ 俊先輩は少なくとも男と認識されてるでしょう⁉」

 割り込んでくるなと浪岡君は抗議する。


「でも“後輩”の域から出られていない気がするんだよね。……大体、一人だけいい思いさせないよ」

「あ、じゃあ俺も香月とデートしていいってことだよな?」

「はぁ⁉」

 そしてさらに今度は忍野君まで入って来る。