でもそれで妖艶さを引っ込めてくれたので何とか通常の呼吸を取り戻せた。

 あの目で見つめられただけで心臓がバクバクしてしまうから。


 あーもう、心臓に悪いよ。


 そんな感じで儀式の説明は終わり、各々自室に戻って行った。

 女子寮のエレベーターに乗っているとき、嘉輪には「先生が優勢かな?」なんて茶化されたけれど。


 でもやっぱりまだ田神先生は先生としか思えなくて……。

 ドキドキはするものの、困るという感情の方が強かった。