……うん、私のせいじゃないと思うけど……ごめんなさい。
心の中でだけは謝っておいた。
「最後に、急な話だが香月が明後日を最後に転校することになった」
そう告げた先生の言葉に少しだけ教室内が騒めく。
私が転校することはさっきクラス中――いや、クラス以外にもだけど――広まっている。
でも、先生の口から聞くまで冗談なんじゃないかと思っていた人がほとんどの様だった。
マジなのかよ、とか信じられないと言った声が聞こえてきた。
でもそんな騒めきは序の口だったみたい。
先生の「入ってきなさい」という言葉の後に、浪岡君が教室に入ってくる。
「そして転入先の事情により、今日から三日間香月と行動を共にする浪岡将成くんだ。みんなもフォローしてあげるように」
先生自身納得出来ていないのか、半ば投げやりな口調で言い放つ。
「初めまして。本当にわずかな時間ですが、よろしくお願いします」
年上女子たちをノックダウンさせてしまうよな微笑みを浮かべて、浪岡君は挨拶をした。
もうその後は混沌の再来だ。
先生にもどうにも出来ない。
日直のHRを終える声も聞こえているのかどうか。
いや、寧ろ日直HRを終わりますって言った? 浪岡君にキャーキャー言ってて忘れてるんじゃないの?



