同じ十四時に予約してたから、もしかしたら会うかもねって話してたけれどその通りになったみたいだ。


「あ、お姉ちゃん」

 そう言って手を振ってきた愛良のもう片方の手は零士と繋がれている。


 うーん……これはもはや仕様になってる気がするな。

 一々突っかかったり、零士の方向音痴を指摘したりするのも面倒になってきた。


 まあそれでもなんかイラッとはするけどね。


 そんな愛良達とは部屋が離れてしまっていた。

 守ってくれている人達にとっては近い方が良かっただろうけれど、お店の都合だし仕方ないよね。


 部屋に案内されたらまずはドリンクバーで乾杯。

 そして有香達が用意してくれていた餞別をもらったりして、カラオケ大会の始まりだ。


 得点を競ったり、あえて知らない曲を歌ってみたり。

 たくさん笑って、久しぶりに心がスッキリしたように感じる。


 有香達と遊べて良かった。


 ――そう思えたのは、カラオケの延長をし始めるまでのことだった。