【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

 何でも弓月先輩は昔からハンターをやっている家系だとか。
 そのせいで少し古臭い考え方をするんだと瑠希ちゃんは文句を言う。


「表立って敵対しなくなって、こんな学園が出来たりして吸血鬼とハンターの(みぞ)は狭くなってきたわ」

 エレベーターを待ちながら、嘉輪が説明してくれる。

「でも弓月先輩みたいに代々ハンターをやっていた家の人は、昔ながらの状態が正しいと思い込んでいる(ふし)があるのよね」

「昔が正しい?」

「そう。弓月先輩がさっき言っていた、“花嫁”はハンター協会が預かるものだっていうのもそれね」


 吸血鬼に狙われる“花嫁”は、ハンター協会からするとずっと守る対象だった。

 今は吸血鬼側とも意思疎通が出来るため、一番良い方法として赤井家が預かるという形になっただけなのだそうだ。


「だからあんなこと言ったんだ……」

 本来はハンター協会が預かるものだって……。


 何か、ままならないなぁ。

 守るものがハッキリしているなら、そのためにみんながまとまることが出来ればいいのに……。


 そう簡単にいかないのが組織ってやつなのかな?

 それとももっと単純に、吸血鬼とハンターの埋められない溝みたいなものなのかな?

 分からないけれど、そう簡単に仲良くとかは無理なんだろうな。