【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

 嘉輪が言っているのは初登校の日のことだろう。


 “花嫁”がどういう存在なのか、理解度がバラバラだというH生。

 そのせいで愛良が頬を叩かれたのは記憶に新しい。


 “花嫁”を預かるとか言うならば、ああいう人達をどうにかしてからにしろ。

 嘉輪はそう言っているんだ。


 嘉輪……完全にケンカ売ってる……。

 でもまあ事実だし。


 弓月先輩はいい人だと思っていたんだけれど……友達の嘉輪にこんな風に言う人だったなんて……。

 ちょっとショックだけれど、私は嘉輪の方が大事だから嘉輪の味方をする。


「弓月先輩、いきなりハンター協会が預かると言われても困ります。ただでさえ突然の転校だったし、この学園の事情もやっと少し理解してきたところだっていうのに……」

「そうです。それでもまだまだ知らないことが多いのに、またさらに状況が変わるのはちょっと……」


 私と愛良の言葉に、弓月先輩は「あっ」と小さく声を上げ視線を下ろした。

「そうだったわね……ごめんなさい。ちょっと先走り過ぎたわ」

 そうして反省した弓月先輩は、もう一度嘉輪に視線を戻した時には少し落ち着いている様子だった。

「意識統一については最優先にするわ。でも、本当に彼女達をこれ以上危険な目に合わせない様に気を付けて頂戴。……言いたいことはそれだけよ」