【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

「それなのにあなた達や赤井家系列のあの五人だけで守れると? これ以上少しでも彼女たちに被害が(およ)ぶようなら、“花嫁”はハンター協会の方で預かることになるわよ?」

 本来はそうあるべきなんだから、とも付け加える。


 本来はハンター協会で私達を預かるもの?

 でも、今更そんなことを言われても……。


 零士は例外としても、他の四人や田神先生。
 それに嘉輪と正樹くんに瑠希ちゃん。

 短い期間だけれどそれなりに信頼関係を築いている。

 それなのに突然ハンター協会が預かるとか言われても……。


 チラリと愛良を見ると、明らかに不安そうな顔をしている。

 やっぱり、いきなり言われても嫌だよね。


「あの――」

 自分たちのことを言われているんだから、一言言っておくくらいは良いだろうと声を上げたときだった。


「へぇ……ハンター協会が……ですか?」

 冷たい声。
 でも妖艶ささえも感じるその笑みに、私は言葉を失った。


「そこまで言うということは、H生の意識統一もすぐに出来るってことですよね? それなら嬉しいわ。聖良達に危害を加える相手が少しでも減るんだもの」

「っ!」


 か……嘉輪……怖い……。


 とても美しい笑顔なのに、その優美な唇からは毒が流れているかのようだ。