【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

 指を突き立てていた私の腕を掴み、「はあぁ?」と凄んでくる。

「お前が何考えてるかなんて知るか! 話し合い自体が面倒だから先に言っておいただけだろうが」

「だからそれが空気読めてないっつってんの!」


「ちょっ、ちょっと待って!」

 ヒートアップしていく私と零士に、嘉輪が大きめの声で止めに入った。

 零士と二人、嘉輪の方を見る。


「聖良、その……腕大丈夫なの?」

 何だか戸惑っている様子にハテナマークを浮かべたけれど、そういえば零士とのケンカを嘉輪の前で見せたことはないからそのせいかな? と思った。


 それにしても、腕?
 腕って、零士に掴まれてる手首のことかな?


「……大丈夫なんかじゃないよ。こんな奴に掴まれてるとか最悪。離してくれない?」

「はっ! 俺だってお前なんか触りたくもねぇよ。人に指突き立ててるお前が悪いんだろ?」

 零士はそう言って、私の腕をポイっと投げるように離した。


 っかー! ホンットムカつくわ!


「……大丈夫、みたいね?」

 嘉輪が少し唖然とした様子で呟く。


 いや、大丈夫じゃないって言ったばかりなんだけど……?

 そう思いながら嘉輪以外の人にも視線を送ると、主に高峰先生と田神先生が本気で驚いた顔をしていた。

「……ん?」

「えっと、男性に触られても……大丈夫なのかな?」