登校初日は良好とは言えないまでも、私も愛良も一人は女友達が出来た。

 H生とV生の違いや、VH生なんて生徒もいることが分ったり。

 H生だからと言って必ずしも味方であるとは限らないと知ったり。


 まあ、色々あったけれど最後の温泉の効果かそこまで悪い一日ではなかった気がした。



 次の日からは愛良にも瑠希ちゃんがついていてくれたからか、誰かに呼び出されることもなかったし楽しく学校生活を送れているみたいだ。

 私も嘉輪と仲良くしつつ、たまに石井くんと話したりと学校生活をつつがなく過ごしていた。


 ちなみに零士のことは避けまくっている。

 だって、顔を合わせたらケンカしかしなさそうだし。


 それに零士は初日のことを気にしているのか授業が終わるとすぐに愛良のところに行ってるみたいだ。

 零士のくせに愛良に近付くとかちょっと不満だったけれど、それはそれで愛良を守ることにもつながるからと思って文句は言わないようにしている。


 一週間が経とうとした頃には田神先生から「遅くなったが」と制服の冬服ももらった。

 そんな九月の終わり。


 私は、ここが吸血鬼という人外がいるということを身をもって知ることになった……。