黙ってそれを受け止めていると、愛良にも呆れの口調で言われた。

「あたしも呼び出されたときに言われたよ? 姉の方も可愛いって騒がれてるけど、とかって」

「……」

 自分が可愛いとか自覚しなくたって問題ないだろうって思ってたけど……。

 これ、そうも言ってられない状況?


 黙り込んでしまった私に、田神先生は「とにかく」と話をまとめた。

「皆自分が周りからどう見られているのかこれからはちゃんと自覚して、それを考慮した上で行動するように。そういうことだ」

 その“皆”の中には私も入っているってことだろう。


 ああ……私もちゃんと自覚しないとダメなのか……。


 今朝も無理じゃないかなと思っていたことだけに、何だか遠い目をしてしまった。

 でも他人にはやれと言っておいて私が出来ないじゃ無責任にも程がある。
 出来るかどうかは取りあえず置いといて、自覚出来るように頑張ってみようと思った。


 その後は嘉輪のことを話して温泉に行ってもいいかを確認する。

 すると満場一致で問題ないと答えが返って来た。


「波多さんは純血種だからね。この学園で彼女にかなう者はいないんじゃないかな?」

 だそうだ。

 それは言い過ぎなんじゃ、とは思ったけれど、これで念願の温泉に入れると浮かれていた私はそれ以上追及はしなかった。