【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

 続いたのは俊君だ。


「周りからどう思われているか、とか聖良先輩に言われるのは……」

 ちょっと……と最後の方は言葉を(にご)していた。


 数秒は何を言われているのか分からなかったけれど、ふと私の外見の事を言われているんだと気付いた。


 理解したと同時に落ち着いたはずの怒りがまた少し湧いてくる。

 今回のことはここにいる五人の男子が自分の人気を把握していなかった事が原因のはずだ。

 何で私のことを言われなきゃならないの⁉



「何で私の話になるんですか? あなた達の人気を自覚してくれって事を話したつもりなんですが」

 声に怒りの感情を乗せてハッキリ言ってやった。


 でもそんな私の言葉に浪岡君が困ったように返す。

「えっと、じゃあ聖良先輩は自分の人気自覚してますか?」

「え? 私の、人気 ……?」


 って言うと前の学校での事?
 でも浪岡君の言葉のニュアンス的にそっちじゃ無さそう。

 それならこの城山学園でのことってなるけど……。


「転入一日目で人気も何も無いと思うんだけど……」

 そう呟く様に言ったら、いつかのように揃ってため息をつかれた。


「……いや、まあ、それこそ一日目から自覚しろってのも酷だとは思うけどね」

 田神先生がフォローするようにそう言ったけれど、続く俊君の言葉には驚きしか感じる事が出来なかった。