【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

 でも私もH生の女子達があんな風に危害を加えてくるとは思っていなかったから、彼等も想定外だったのかな? と、落ち着いてからは思うようになった。


 だから、どんよりした空気の後の揃って謝罪は(むし)ろやり過ぎって感じがする。


 ……あれ? もしかしてホントに私のせい?

 八つ当たり含めて零士に怒鳴ったから?

 でもあれは相手が零士だったからってのもあるし、みんなにここまでさせたかったわけじゃ無いんだけど……。


 ちゃんと反省して、愛良を守ってくれるならそれで良いんだけどな。



「愛良さんを狙っているだろうと思われるV生を中心に警戒していたこともあって、H生の女子生徒があんな理由で乱暴を働くとは思わなかったんだ」

 言い訳とも取れるけれど、私もさっき思い至った事でもあるからそのまま話を聞いた。


「この五人が学園内で人気があるのは知っていたけど、まさかあんな風に過激なタイプもいたなんて……」

 そこでまた少し黙り込む田神先生。


 すると今度は浪岡君が口を開いた。

「同級生で同じクラスになった僕が一番見ていなきゃ無かったのに……」

 その後悔の声に、愛良がすかさずフォローする。


「あの人達も浪岡君を一番気にしてたんだと思うよ。誰かに呼ばれて浪岡君が教室を出たところを狙うように声を掛けて来たから」