【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

 そうだった。
 温泉の言葉でついすぐに了承の返事をしそうになったけれど、ダメだって言われていたんだった。


 でも……。


「嘉輪は信用出来るよ?」

 根拠は? と聞かれたら何も言えないけれど、嘉輪は信用出来るってハッキリ言える。


「うん。あたしもさっき会ったばかりだけど信用出来るって思う」
 ハッキリと自信を持って言った愛良は、次いで困ったように眉を寄せた。

「でも、田神先生がどう思うかは分からないから……」

「あ、うん……」


 信用出来ると思った弓月先輩でも、心許ないと言われて却下された。

 嘉輪と、その鏡って子がいても同じ様に言われる可能性はある。


 そう思ってションボリしていると、嘉輪は明るく言った。

「多分私なら大丈夫だよ。一応田神先生に聞いてみたら?」

 その自信が何処から来るものか分からないけれど、嘉輪が言うと本当に大丈夫に思えてくる。


 ふと、さっき耳にした言葉を思い出した。

 あれと関係あるんだろうか。


「嘉輪のその自信って、“純血の姫”っていうのと関係がある?」

 思い付いた事をそのまま聞いてみると、笑顔だった嘉輪の顔が苦虫を噛み潰したように崩れた。


「どうしてその呼び名を知ってるの?」
「え? さっきの女子達の誰かが言ってたのが聞こえて……」