田神先生は咬まれたからって吸血鬼になるわけじゃないと言っていたけれど、やっぱり人間が吸血鬼になることもあるんだ。

「言っておくけど、咬まれただけでなるわけじゃないし、ちゃんと本人の意思確認した上でするものだからね?」

「そっか……」

 それを聞いて一先ず安心した。
 それなら私や愛良が無理矢理吸血鬼にされるなんてことはなさそうだ。

 安心した私は、嘉輪がサッと目をそらして「大抵は……」と小さく付け加えたことに気付かなかった。


 後の話は大体田神先生から聞いたことと同じで、昔はともかく今のハンターは吸血鬼専用の警察のようなことをしているんだとか。
 だから吸血鬼でもハンターになれるんだって。

「そうなんだ……色々教えてくれてありがとうね、嘉輪」
 私はお礼を言って、あとは授業の準備などを一緒にやりながら過ごした。


 不安はまだ多いけれど、嘉輪は良い子みたいだし取りあえず一人友達が出来て良かったと思う。

 私の方は比較的良い滑り出しで、何とかやっていけそうと安堵した。