【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

 だから代わりに愛良が答える。


「今の所足りない物は無いです。むしろこんなに用意してもらって良いのかなって……」

 申し訳無さからか、最後の声が消えていく。


 そんな愛良に田神先生は「気にしないで欲しい」と言った。

「無理に急ぎで来てもらったんだ。これくらいは当然のことだよ。娯楽用品や嗜好品以外なら何でも用意するから言ってくれ」

「……何でも?」

「そう、何でも」


 そう言い切る田神先生に私は不安になって、具体例を挙げてみることにした。

「私達が使ってる化粧水とか、洗顔石けんとかも買って貰えるって事ですか?」

「勿論。使っている商品名を教えてくれれば用意するよ?」


 まさかね、と思いながら口にしたのに返って来たのは問題ないという言葉。

 他にも筆記用具やボロくなったタオルやシーツは? と聞くとそれも良いとのことだった。


「ゲームとかの遊ぶ物や、お菓子類などの嗜好品以外は全て用意するよ」

 最期はそう締めくくられ、この話は終わってしまった。


 まさかそこまで準備してくれるなんて……。
 やり過ぎじゃ無いの?

 とも思ったけれど、助かるのも事実で……。


 私と愛良は一度顔を見合わせ、共に田神先生にお礼だけを伝えた。

「色々と、ありがとうございます」
「お言葉に甘えさせて貰います」