【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

 もう一つ気になっていた事を聞いてみる。


「あー、零士先輩学ランだったもんね。やっぱりセーラー服だったかぁ」

 そんな感想を漏らしながら愛良はクローゼットを開けて自分の制服を出して見せてくれた。


 思った通りブレザーだった。
 臙脂(えんじ)色のジャケットに、暗めの赤チェックのベストとスカート。
 白いブラウスに、赤いネクタイ。


「可愛いじゃない」

 愛良に似合いそうだと思いながら呟いて、ふと視線をクローゼットに向ける。

 そこにはもう一着、夏の制服と思われるものが掛かっていた。

 今はまだ衣替え前だから夏服があるのは分かる。
 私のセーラー服も半袖の夏服だった。


 でも冬服はなかったな。

「あれ? 夏服冬服揃ってるんだ? 私冬服無かったよ?」

 衣替えまで一週間位しか無いのに。


 そう思って疑問を口にすると、愛良はうーんと唸ってから答えた。


「お姉ちゃんの転校は急だったし、準備間に合わなかったんじゃない? 流石に衣替え前にはもらえるでしょ」

 とまあ何とも楽観的な言葉だった。


 でもまあ愛良の言う通りだし、これも田神先生に聞かなきゃ分からないことだ。


「それじゃあちょっと早いけど下に戻る?」

 持って来ていたスマホで時間を確認しながら言う。