【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

 私が一番奥で、愛良はその手前だ。


「部屋の中の物は好きに使っていいわ。足りない物があれば言ってちょうだい。用意するよう田神先生から伺っているから、遠慮せずに言ってね」

「ありがとうございます」


 とお礼を言ったものの、流石に何もかも頼む訳にもいかないよね。
 ……お小遣いで足りるかな?


 ティッシュとかの消耗品。タオルとか、洗濯するなら洗剤とか……。

 軽く考えてみただけでもお小遣いじゃあ足りない気がする。


 ……どれだけ甘えて良いのかもちゃんと後で確認しておこう。

 次々と確認する事が増えて、内心ウンザリしながら私は部屋の鍵を開けた。


「鍵は各自で管理してね。でも安全面を考えると、寮を出るときは私の方に一度預けてくれると助かるわ」
「はい、分かりました」

 返事をすると、上原さんは「じゃあまたね」と言い残し去って行く。

 ドアノブに手を掛けた私達はお互いに顔を見合わせた。

「じゃあ部屋の確認をしますか」
「何かちょっとドキドキするね」

 少し笑いながら、ガチャリと音を立ててドアを開ける。


 確かに少しドキドキする。

 これから自分の部屋になる所がどんな様子なのかっていうのもあるけれど、この寮の外観と似た様な雰囲気のお城みたいな部屋だったらどうしようとか。


 ……でも、その心配は無用だった。