【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

 とかだったらまだ平気だったし、素敵ですね〜くらいは言えたかも知れない。

 でもこの寮は本当に中世に外国で作られたんじゃないかと思うくらい立派なお城にしか見えない。


 良く見ると、屋根の端々にある彫像とかも美術館なんかで見る様な凝ったものだ。


「……」

 もう絶句するしかない。



 お城に住んでみたーい!

 なんて思ってる夢見がちな子なら喜ぶ所なのかも知れない。

 でも私も愛良もそこまで夢見がちでも無ければ脳内メルヘンでも無い。


「一体どうしてこんな外観に……」

 最早言葉が出ない私の隣で、愛良が躊躇いがちに聞いた。


 よくぞ聞いてくれた愛良!


 心の中で愛良を称賛しながら、私も津島先輩の答えを待つ。

「まあ、簡単に言うなら出資者達の遊び心かな?」

「は?」

 遊び心?

「出資してくれた人達が、まあ揃いも揃って変わった人達で……。校舎も最初は日本風のお城にしようとか言ってたらしくて……」

 段々消え入りそうな声になりながらも彼は最後まで説明してくれる。


「何とか校舎の方は普通にしてもらえたけど、その反面寮はトコトン凝ったらしくて」

 それでこんなお城になってしまった、と……。


「……」

 私だけじゃなく、愛良も言葉を失ってしまった様だ。