【完全版】妹が吸血鬼の花嫁になりました。

 内心先輩とは到底思えないなんて言えない。きっと絶対怒らせる。


 そう思ってそれ以上は口をつぐんでいたのに、津島先輩はニコニコ笑顔のまま私の内心を読み取った。

「うーん。やっぱり俺、年下に見えるか?」

 ギクッ

 言い当てられて動揺したけれど、表情には出していないはずだ。


「そ、そんな事は――」

 ない、と言い掛けたけれど笑顔に遮られた。

「ああ、良いんだよ。慣れてるし、気にしてないから」


 気にしてないなんて、そんなことは無いだろう。
 ……と思うのに、その表情は変わらぬ笑顔。


 ……あれ? 本当に気にしてない?


 判断に困る。

「はあ……」

 曖昧に返事をすると、気まずそうな声が掛かる。


「あのさ……俺、もう行っていいか?」

 視線を私と津島先輩の交互にやって伺ってくる忍野君。
 そう言えばいたんだった。


 いや! 決して忘れてた訳じゃないよ⁉
 ただ津島先輩のショックでちょっと忘れかけてただけで!


 なんて心の中で言い訳をしているうちに、津島先輩が先に返事をしていた。

「ああ、俊の代わりに彼女連れて来てくれたんだよな。サンキュー、手間取らせて悪かったな」

 そう言って片手をヒラヒラと振った。